2021-12-06 農学部生物生産学科 天竺桂弘子研究室「多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチ」
写真1枚目、コウケンの前の試験管の中に、小さな虫さんがたくさんいるワン!
こちらは、農工大 #農学部 #生物生産学科 天竺桂弘子教授の研究室で飼育されているキンウワバトビコバチという寄生蜂。
通称「トビコ」。
蛾の幼虫に寄生するワン。
この試験管の中にいるトビコは、全員1つの卵から生まれてきて、遺伝子が同じだワン。
約2000匹いるので、1卵性2000生児!!!
「二千つ子」なんて、聞いたことないワン。
このものすごい多胎の仕組みが解明されれば、人などの他の動物の多胎の仕組みを理解するのにも役立つ可能性があるワン。
ハッケンの前にいる黄緑色の幼虫が、トビコの宿主である蛾の幼虫。
トビコの羽化が近づいたものが、真ん中の試験管の中のものだワン。
羽化が近づいた宿主は殺されてしまうけど、それまではエサを食べて普通に過ごしているワン。
トビコのお母さんは、宿主の蛾の卵に卵を産むワン。
蛾にも免疫機能があって、普通は外から入ってきたものは排除されてしまうけど、トビコは「分子擬態」という方法で、宿主の免疫をだまして、攻撃されないようにしているワン。
免疫をだます方法は、ガン細胞が体の中で増える仕組みや、自己免疫疾患の仕組みと似ているので、分子擬態の研究は、人の病気の解明につながる可能性を秘めているワン。
さらに、トビコは寄生した宿主を独占する戦略も持っているワン。
そのカギとなるのが、蛹にならず、幼虫のまま寄主体内で死んでしまう攻撃専用の「兵隊幼虫」。
1卵性2000生児の内、何匹かが兵隊幼虫になり、同じ宿主に他種の寄生蜂や、血縁が遠いトビコなどのライバルが寄生すると、攻撃して排除するワン。
写真2枚目、上にいるのがトビコの兵隊幼虫。
同じ宿主に入ってきたライバルのギンケハラボソコマユバチの幼虫を攻撃しているワン。
トビコのすごいところは、寄主の中にライバルがいると、兵隊幼虫になる幼虫の割合が増えること。
天竺桂先生たちは、この兵隊幼虫の数を調整するメカニズムを解明し、ライバルが宿主に注入する毒素に反応して、遺伝子の発現を調節することで、普通の幼虫として大人になるはずだったハチも、兵隊幼虫になることを見つけたワン。
社会性昆虫である寄生蜂が、より効率的に子孫を残す巧みな戦略だワン。
写真3枚目は、顕微鏡で見たトビコの成虫だワン。
研究室で飼われている成虫のトビコのエサは、はちみつ。
インパクトある特徴をたくさん持っているのに、意外にもかわいらしいものを食べてるんだワン。
4回にわたって天竺桂先生に見せてもらった虫たちは、どれもとってもユニークで、あっと驚くようなすごい戦略や、人の役に立つ機能を持っているものがたくさんいたワン。
天竺桂先生の研究室は、日本の大学で「昆虫生化学」の看板を掲げている唯一の研究室。
虫を使った研究は、結果が出るのに何十年もかかるので、たくさんの学生さんたちが積み上げてきた努力が、成果につながっているワン。
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