2023年度TAMAGO採択課題
表面弾性波デバイスを用いた指向性超微粒子噴霧によるイチゴの選択受粉
?
研究代表者:?倉科 佑太 准教授(テニュアトラック)
(工学研究院?先端機械システム部門)
?「超微粒子噴霧イチゴ受粉」
果実には多量の栄養分が含まれており、特にイチゴはビタミンCや葉酸、カリウムなどの栄養が多量に含まれています。日本は世界的にもイチゴの生食文化が盛んであり、生食での消費量は世界一位と言われており、世界的にも日本のイチゴ生食文化に注目が集まっています。イチゴの果実生産に必要な受粉は一般的にはミツバチなどの花粉媒介昆虫を利用します。しかし、気温の低さや天候不順、昆虫のコンディションに左右されることから安定した受粉は難しく、またこれに代わる人工授粉についても大規模栽培に適した受粉方法は確立されていません。
そこで、本研究では物体表面に集中して伝播する振動である表面弾性波に着目して、これを用いることで指向性と効率に優れたイチゴの受粉を達成します。本技術を確立することで、イチゴやその他の果実の安定した生産に貢献する技術を創出します。
「超微粒子噴霧イチゴ受粉」メンバー
?倉科 佑太 | ?准教授(テニュアトラック) | ?工学研究院 先端機械システム部門 |
?髙橋 さくら | ?助教(テニュアトラック) | ?農学研究院 生物生産科学部門 |
?
?
ハイパースペクトルを利用した病理診断サポート技術開発
?
研究代表者:?村上 智亮 准教授
(農学研究院?動物生命科学部門)
?「スマート病理」
近年、病理医の不足が深刻化しており、これを補うためにAIによる病理診断支援が注目されています。ただし、これまで開発されているAI診断支援システムのほとんどは、形態認識によって病変を識別するものであったため、形態がよく似た腫瘍(例:肺腺癌と中皮腫)の鑑別には限界がありました。
本研究では、ハイパースペクトル情報をAI病理診断に組み込むことで、腫瘍ごとの微妙な色情報の差に基づき、形態のよく似た腫瘍の判別に挑戦します。本研究は、獣医学と情報工学の専門家が協働することにより初めて達成が可能となる、本学ならではの「新しいものをみる(診る、観る、視る)」研究テーマです。
すべての人が正しい治療を受けるためには正しい診断が必須であり、病理医の不足は社会全体の課題です。私たちは病理医をサポートする技術開発によって人類の健康に貢献したいと願っています。
「スマート病理」メンバー
?村上 智亮 | ?准教授 | ?農学研究院 動物生命科学部門 |
?呰上 大吾 | ?准教授 | ?農学研究院 動物生命科学部門 |
?清水 郁子 | ?教授 | ?工学研究院 先端情報科学部門 |
生物音響オーケストレーション:生物-空間-音響の連環解明と生物行動予測
?
研究代表者: 福田 信二 教授
(農学研究院?農業環境工学部門)
?「生物音響OS」
私たちの生活は多くの“音”に囲まれています。音によって形成される環境であるサウンドスケープは、非生物的な地形や気象等による音、人間以外の生物による音、人間による音によって構成されています。
本研究では、個体から群集の生物が織りなすサウンドスケープの計測と音響情報解析によって、非接触?非破壊的に、生物-空間-音響の連環を解明し、対象生物の行動を予測?制御するための生物音響オーケストレーションシステム(OS)の確立を目標にしています。この生物音響OSに関する基礎技術が開発できれば、例えば、家畜飼育環境におけるストレス評価や動物間コミュニケーションの定量化、自然環境や農業農村地域における生物多様性評価や害虫?害獣の制御等への応用が期待できます。
「次世代シルク培養肉総合研究チーム」メンバー
?村上 智亮 | 准教授 | ?農学研究院 動物生命科学部門 |
?中澤 靖元 | 教授? | ?工学研究院 生命機能科学部門 |
?秋岡 翔太 | 助教? | ?工学研究院 生命機能科学部門 |