2022-12-16 生物学実験「ヒトゲノム取扱基礎」

農学部 応用生物科学科1年生の「生物学実験」を見学するワン!
この実習は、自然科学分野の基盤となる「生物学」の実験法について、様々な観察?解析法の基礎を実践的に学ぶもの。
植物組織や微生物の観察から、ヒトゲノムまで、幅広い実験を行う中で、スケッチの取り方、顕微鏡の使い方、実験のデータの扱い方や処理法を身につけることができるワン。

今日は、佐々木信光准教授、三浦豊教授による「ヒトゲノム取扱基礎」の実験。
アルコールの代謝に関連する遺伝子を解析するワン。

アルコール代謝ってことは、お酒の強さに関わる遺伝子。
どんなものだワン?

エタノールが体の中で分解されてできる「アセトアルデヒト」は、ミトコンドリアの中で酸化されて酢酸になるワン。
この酸化の酵素が「アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)」というもので、10種類が知られているけど、その中でも代謝能力がいちばん高いのが「ALDH2」。
ALDH2の遺伝子型を持っている人は、お酒に強いワン。
ALDH2の一部が変わった変異型「ALDH2*2」は、日本人によくみられるものだけど、こちらは代謝能力があんまり高くないんだワン。

この実験では、学生さんたちは、自分のゲノムDNAを抽出して、その中に「ALDH2」と「ALDH2*2」が含まれているか調べるワン。

写真1枚目、2枚目は、爪を切っているところ。
この実験では、爪からDNAを抽出するので、自分の爪を切って、カッターで小さく刻むワン。

写真3~5枚目は、ピペットで慎重に試薬を測ったり、液を混ぜ合わせたりしながら、DNAを取り出すための作業をしているところ。

初めて使う道具もあるので、学生さんたちはテキストを見ながら、慎重に実験を進めていたワン。

ゲノムDNA溶液を作ったら、リアルタイムPCRという方法で、「ALDH2」と「ALDH2*2」がどのくらい増えるか調べると、それぞれのDNAが含まれるかわかるんだワン。

結果は、後日、先生から学生さんたちに渡されるそうだワン。

写真8枚目は、エタノールパッチテストで、アルコール感受性を調べているところ。
ばんそうこうにアルコールをつけたものを貼ってしばらく置き、皮膚が赤くなるかどうか観察すると、アルコールの分解が得意かどうかがわかるんだワン。
遺伝子型(遺伝子の多型)と、それが形質として現れた表現型をそれぞれ調べて、考察するんだワン。

ヒトゲノム情報は、医療の現場などでも利用される大切な個人情報。
この授業では、ヒトゲノムの取り扱いの基礎だけでなく、ヒトゲノムを取り扱う際の倫理問題についても学ぶんだワン。

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